ルートセッターとして経験が積める だからセッター社員を選んだ
2026/2/3

Profile
當真剛輝
クライミング歴12年
国民スポーツ大会、沖縄県代表として複数回出場
関東圏を主にルートセッターとして活動中
最高グレード5段(外岩)
セッター社員として入社した當真さん。入社した理由を「大器株式会社は運営しているボルダリングジムが多いので、ルートセッターとして経験が積めると思いました」と話します。當真さんは全国を飛び回りながら、店長やスタッフと協力しつつ、課題づくりに精を出す日々を送っています。

立川店オープン時に初めて課題づくりを担当
規模の大きさに圧倒された
――當真さんがボルダリングを始めたきっかけを教えてください。
通っていた高校に山岳連盟の会長が講演に来たことがきっかけです。会長と一緒にクライミングに行き、最初は自然の岩を登っていたのですが、練習の一環としてボルダリングを始めました。私が生まれ育った沖縄では、当時、まだボルダリング人口は多くありませんでした。しかし、たまたまボルダリングの大会に出場したところ、大会を通じて友達ができ、いろいろな人と知り合えるようになり、刺激的な時間を過ごせました。
ボルダリングは、登ること自体がシンプルに面白く、さらにルートを攻略することで達成感を覚えられます。ボルダリングが楽しく、大学で就職活動を始めたときには、ボルダリングの道に進むか、専攻していた建築の道に進むかで迷いました。
――ボルダリングと建築のどちらを選んだのですか?
迷った末に、両方ができる仕事をしようと考え、前職ではウォールを作成する仕事を選びました。前職の会社はジムを運営していたので、ウォール作成だけでなく、ルートセットにも携わるようになりました。すると、ルートセットへの興味がどんどん強くなっていったのです。自分なりにうまく課題がつくれたときや、お客さんが課題を楽しんでいる姿を見たときは、特にやりがいを感じました。
そんななか、大器株式会社でセッター社員を募集していることを知り、転職を決めました。ルートセッターの中にはフリーランスの人もいます。しかし、フリーランスで生計を立てるのは難しいと思っていたので、社員としてルートセットができる点に魅力を感じました。
――入社後は、どんなお仕事を担当しましたか?
入社したばかりの頃に立川店のオープンが決まり、課題づくりを担当しました。立川店は規模が大きいため、社員だけでなくフリーランスのルートセッターにも依頼し、12、13人で2週間かけて行いました。その仕事量には圧倒されましたね。見栄えの良さを大切にしつつ、いろいろな人が触りやすいように大きめのホールドを使いました。社員の一人がチーフとして全体の管理を担っていましたが、私もスケジュールなどの管理を担当しました。課題が出来上がったときは、達成感がありましたね。
立川店がオープンしてからは、半年ほど立川店でスタッフとして働きながら、ルートセットを担当しました。立川店はとても広く、アミューズメント施設として、ビギナーの方も来やすい店舗です。接客などを担当しながら、とても雰囲気の良いお店だと感じました。
店長やスタッフからヒアリングしつつ
現場監督として課題を決めていく
――當真さんは、現在はルートセットを専門としています。働き方を教えてください。
店舗によってルートセットのタイミングは、2週間に1回、1か月に1回など異なります。店舗の予定に合わせて毎月スケジュールを組み、北海道から沖縄まで各地の店舗を訪問します。先月は10か所を訪れました。日帰りの場合もあれば、2~3日滞在する場合もあります。移動が多くハードではありますが、旅をするのが好きなので楽しいですね。
私は沖縄出身なので、長野県諏訪市や北海道釧路市にある店舗を訪れたときは、街並みの違いなどを感じ、刺激を受けました。
――店舗を訪問して、どのように課題を考えていくのでしょうか。
まず、店長やスタッフからヒアリングをします。前回の課題に対するお客さんの反応や人気の課題、現在の客層やリピーターの割合などを聞き、グレードを共有します。グレードについては、店長やスタッフの要望をもとに考えますが、時には意見が合わないこともあります。そんなときは、必ず話し合うように心がけています。ヒアリングした内容をもとに全体的な構想を練り、朝の30分ほどで全体のコンセプトを決めていきます。
セッター社員は、現場監督やチーフのような役割と言えるかもしれません。
イベントを行う場合は、イベントのテーマに沿って、かなり時間をかけて課題をつくります。
――全体のバランスはどのように決めていますか?
グレードごとに本数を調整しています。難しい課題と簡単な課題は少なめにし、その中間の課題はお客さんの層が厚いため、本数を増やしています。また、課題ごとに見栄えのする課題を用意し、SNSなどに投稿していただけるよう工夫をしています。

ルートセッターに求められるのは
インスピレーションと想像力
――毎回新しい課題を考えるのは大変そうですね。
インスピレーションを得るために、新しいことに挑戦したり、美術館に行ったり、旅行をしたりして、自分にはない感性に触れ、引き出しを増やすようにしています。この間は静岡に出かけ、街並みを見てリフレッシュしてきました。
どうしてもネタ切れになりそうなときもあります。しかし、できる限り同じ課題にならないように、ホールドを変えるなどして、少しでも良い課題にしようと意識しています。
――課題を考えるために、さまざまな努力をされているのですね。
課題づくりの方法としては、そのお店のお客さんの中からターゲットとなる人を選び、その人が登れそうな課題を考える方法もあります。店長から最近頑張っている方や子どもについて聞き、その方をイメージしながらつくります。
ルートセッターには、基本的なルートセット能力がもちろん必要ですが、それに加えて、想像力が非常に大切です。どんなお客さんがこの課題に挑戦してくれるのかを具体的にイメージできたほうが、ルートセッターとしては良いのではないでしょうか。
――大人の當真さんと子どもでは、体格などに差があります。キッズ向けに課題をつくる際は、どんな点に気を付けていますか?
子どもは筋力が大人とは違うので、その点に注意しています。あとは、ホールドの距離感ですね。大人よりも柔軟性が高いケースが多いため、子どもの柔軟性も意識して課題をつくります。
――當真さんが考える良い課題とは、どんな課題ですか?
年齢や性別に関係なく、多くの人が取り組める課題です。登る人によって身長や柔軟性は違いますが、登ることで同じような気持ちを共有できたら、それは良い課題だと言えるでしょう。
――大器株式会社には、當真さん以外にもセッター社員がいますよね。
現在は、私のほかに二人います。一人は私と同じようなキャリアがあり、もう一人はアルバイトを経て社員になりました。ルートセットに対する考え方やスタイルの違いがかなりあるので、お互い切磋琢磨しながら仕事をしています。
例えば、私は自然の岩を登ることからスタートしたので、ホールドは小さく細かいものが好きで、動きも昔ながらのスタイルが好みです。一方で、現代的なスタイルが好きな社員もいるので、面白いですね。

定期的な研修会を通じて
ルートセットができる社員を増やす
――大器株式会社は全国各地にボルダリングジムを展開しています。そのため、ルートセットができる社員が、今後も多く必要とされます。
ルートセットができる人を増やすため、現在は社員向けに定期的に研修会を開催しています。全国各地からルートセットを学びたい社員を集め、2日間かけてルートセットを学びます。参加するための交通費は会社負担です。
私は講師として、参加者にグレードなどを伝え、課題をつくってもらいます。出来上がったら、実際にみんなで登って評価し、さらに良くするために修正し、それを共有していきます。
――研修会を通じて、當真さん自身も学びがありましたか?
とても学びの多い時間です。参加者の動きを見て、無意識のうちに「この動きはできない」と自分の中で決めつけていたことに気づかされました。
当社の場合、大型店がオープンする時は、社内のセッター社員だけではなく外部のセッターにも依頼し、一緒に仕事をする機会があります。フリーランスのルートセッターのなかには公式大会で活躍している人もいるため、ホールドの付け方や扱い方が上手で、そうした方々から学ぶこともあります。
――當真さんがボルダリングを始めた頃に比べると、ボルダリング人口は増えているようですが、今後はボルダリング業界をどのように盛り上げていきたいですか?
ボルダリングの知名度は上がっており、興味を持って来店してくれる人は多くいます。そうした人たちが、もう一度来店するきっかけにつながるような課題を用意し、ボルダリングを続けられる環境をつくっていきたいですね。
――最後に、大器株式会社への転職を考えている人にメッセージをお願いします。
ルートセットに挑戦したい人には、ぜひ来てほしいですね。店舗数が多く、店舗ごとにウォールやホールドも異なるため、多くの経験値を積めます。ルートセッターとして仕事をしたい人には、良い環境が整っていると思います。
ルートセットが未経験の人が、いきなりセッター社員になるのは難しいかもしれません。しかし、スタッフとして働きながらルートセットを学べるので、経験を積んでいけます。
――成長したい人にも向いている環境ですか?
向いています。私は経験を積み、スポーツクライミング競技C級ルートセッター資格を取得しました。資格を取得したので公式大会のルートセットもできるようになり、今後はさらに挑戦していきたいですね。
また、当社は副業が認められているため、私は月に1~2回、ゲストセッターとして他社のボルダリングジムでルートセットをしています。ウォールやホールド、客層が当社とは違うので、面白いです。
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